コーポレートメッセージ

建設業の発展に寄与し
環境リサイクルへの
貢献を目指す 東京鐵鋼

 

1.お客様第一の経営

 当社は、コーポレートメッセージに込められた思いを実現していくことを経営の基本においています。
 そのためには、お客様のニーズを的確にとらえ、それに応えた製品やサービスを提供することが大切なことと考えています。高強度ネジ節棒鋼ネジテツコンや機械式継手、またこれらを用いた工業化工法は、建設コスト削減や工期短縮を求める建設業界の求めに応えたものです。このように単に素材として鉄筋を供給するのではなく、付加価値の高いビジネスを展開することが、市況に左右されやすい電炉業界の体質から脱却し、安定収益を確保する強固な事業基盤の構築に繋がると考えています。
 これからも、商品開発をはじめとして、製造、お客様への提案に至るまで、培ってきたエンジニアリング力をフルに発揮し、コンクリートと鉄筋、コンクリートとコンクリートを繋ぐ、といった鉄筋工事に関する様々なニーズに積極的に応えてまいります。
 また、もう一つの経営の柱である環境リサイクル事業は、安定した収益の確保とともに、社会に貢献する意義のある事業です。
 高温での無害化溶融処理が可能な電気炉を頂点に、シュレッダー、炭化炉など一連の設備を備え、医療廃棄物、廃自動車、廃家電などの処理を手掛けていますが、環境に対する関心が高まっている中で、これまでの技術的蓄積を活かして、循環型社会の実現に貢献してまいります。

2.事業環境について

 経済構造の成熟化、公共投資の縮小、人口構造の変化などにより国内の建設需要は減少しており、棒鋼製品の需要は低迷しています。一方で、国際商品化した主原料の鉄スクラップは価格変動が大きく、不安定さを増しています。これに、電力料金の上昇も加わり収益確保が難しい状況となっています。
 このような環境の中ではありますが、建設業界では人手不足により省力化工法のニーズが高まるなど、当社製品・サービスは今後も成長力を持ち続けるものと見込まれます。また、環境リサイクル事業では、廃棄物処理への要求レベルが高度化し、さらに資源を持続可能な形で循環させて利用していくことに関心が高まる中で、当社の電気炉溶融処理やシュレッダー、炭化炉を利用した再資源化のビジネスチャンスは拡大しています。

3.成長戦略の推進

2023年5月9日に公表しました「中期経営方針」をご覧ください。

4.資本政策について

 当社は、資本政策については、「財務健全性の向上」、「成長のための投資資金の確保」、「適切な株主還元」の3つをバランスさせることを基本としています。
 事業リスクに備え、十分な自己資本を確保していくことは長期的視点で、企業価値の向上につながります。また、装置産業である電炉業では、生産設備の維持・強化に多額の資本的支出を安定的かつ継続的に行うことが求められます。その原資は内部留保であり、潤沢なキャッシュフローの確保も重要と考えています。株主還元につきましては、経営上の最重要課題の一つとしての位置付けであり、財務体質の強化や投資に備えた内部留保の充実を勘案し、業績に応じて安定した配当の継続、連結配当性向30%以上を目指すこと及び資本効率の更なる向上を目的に自己株式の取得を機動的に実施していくことを基本方針としています。

5.経営指標について

 当社は、適正な資本政策を遂行し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るためには、十分なキャッシュフローの獲得が重要であると考えています。そのため、連結経常利益70億円以上及びROE 10.0%以上を確保することを経営目標としています。